北海道のカラマツ衰退林から分離されたナラタケ属菌

DOI
  • 和田 尚之
    北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場 北海道大学大学院農学院
  • 徳田 佐和子
    北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場
  • 新田 紀敏
    北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場
  • 小野寺 賢介
    北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場

書誌事項

タイトル別名
  • <i>Armillaria</i> spp. isolated from larch declined forest in Hokkaido

抄録

<p>北海道東部では2016年からカラマツの大量枯損が発生した。被害地では大半の枯損木でカラマツヤツバキクイムシの穿孔がみられた。一方で、ナラタケ属菌の感染も枯死木・生立木から高頻度で確認されており、ナラタケ属菌感染によるカラマツの衰弱が大量枯損の背景にある可能性があった。そこで、キクイムシ被害地域のナラタケ属感染状況に他の地域とは異なる特徴があるのか調査した。調査は過去にキクイムシ被害があった4林分となかった5林分を対象とした。地際部におけるナラタケ属菌感染状況を調査し、感染木からナラタケ属菌の根状菌糸束を採取した。根状菌糸束はDNAを抽出してEF-1α領域により種同定した。結果、同定できた菌株のうち約9割がArmillaria sinapinaであり、その分離割合に地域差は見られなかった。キクイムシ被害木や衰弱木からもA. sinapinaが分離され、カラマツの衰弱に対してA. sinapiaが関与している可能性があった。一方、どの地域からもA. sinapinaが分離されており、今回のキクイムシ被害とならたけ病の関連について感染率・感染強度と合わせて考察する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740952097024
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_622
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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