福島原発事故後に植栽したコナラの放射性セシウム濃度

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タイトル別名
  • The radioactive cesium concentration of <i>Quercus serrata</i> planted after the Fukushima nuclear accident

抄録

<p> 原発事故により汚染されたきのこ原木林の放射性セシウム抑制対策として,直接汚染された母樹を伐採し新たに苗木を植栽することが挙げられる。その場合の植栽木への放射性セシウム移行実態と濃度に関わる要因を検討するため,2018年秋に原発から約20km離れた林地にコナラ無汚染苗を植栽し,植栽後1年目の葉の137Cs濃度,3年目の葉,枝,幹,根に分けた137Cs濃度,濃度に影響する可能性のある土壌全137Cs蓄積量,交換性137Cs蓄積量,交換性K蓄積量及び植栽木のサイズを測定した。その結果,コナラの1,3年目のすべてのサンプルから137Csが検出され,植栽木への放射性セシウムの移行が確認された。コナラ葉の3年目の137Cs濃度は1年目より平均値が高かったが個体間の幅が大きく,1年目との統計的有意差は確認されなかった。3年目の部位間の相関性は高く,部位ごとに一定の傾向が認められた。植栽3年目のコナラ137Cs濃度への寄与が最も高い要因は土壌の交換性Kで他の要因の寄与度は小さかった。このため,植栽後3年目では土壌交換性Kがコナラの放射性セシウム濃度を決定する最も重要な要因と考えられた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740952154624
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_671
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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