非構造性炭水化物を介した樹木細根機能の季節変化:山岳標高差に対する検証

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タイトル別名
  • Seasonal variation of tree fine root function through non-structural carbohydrates responding to elevational change

抄録

<p>光合成で生産される可溶性糖やデンプンといった非構造性炭水化物(NSC)は樹木の代謝や生長の炭素源となる。フェノロジーやストレスに応答しNSCの貯蔵量は変化するが、細根機能に対するNSCの変化が与える影響は明らかになっていない。本研究は山岳域の樹木細根(直径2mm以下)を対象に、細根のNSCがどのように季節変化し、代謝や形態における炭素利用と関係しているのか解明することを目的とした。調査は長野県に位置する乗鞍岳の標高2500mと2000m地点で実施し、常緑針葉樹のオオシラビソと落葉広葉樹のダケカンバを対象とした。各標高のフェノロジーに注目し、標高2500mでは7-9月に、2000mでは6-10月の毎月調査を実施した。細根の根呼吸速度、比根長、根組織密度、可溶性糖濃度、デンプン濃度を測定した。オオシラビソとダケカンバの比根長と根組織密度は有意に季節変化せず、両標高で同様の結果であった。一方、根呼吸速度の季節変化は樹種と標高で異なった。根呼吸速度の最大値は、オオシラビソは2500mでは8月、2000mでは9月であったのに対し、ダケカンバは2500mでは9月、2000mでは7月であった。本発表では細根機能におけるNSCの役割と変化について議論を深める。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740952162560
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_686
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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