北山村における観光筏下り事業の展開

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タイトル別名
  • Development of a tourist rafting business in Kitayama Village

抄録

<p>筏流しなどの流送技術は、近代に入ると水力発電所の建設などの影響を受け、消失していく運命を辿っていく。ただし一部の地域では、流送技術の保存・継承に向けた取り組みを行ってきている。本研究では、和歌山県北山村を対象として、筏流しの衰退・消失過程を概説した上で、1970年代終わりから復活した観光筏下り事業の展開過程や、継承される技術の変遷を明らかにした。筏師の編筏技術と流送技術が高くされ、大正期から昭和初期には、北山川水系の筏師が鴨緑江へ出稼ぎを行った記録も残る。ただし、熊野川の支流である北山川水系では、熊野川電源開発計画に基づく水力発電用ダムの建設が進められ、1960年代前半に筏流しによる運材はいったん消失する。しかし村長(当時)や地元住民からの要望もあり、北山村が主導する形で観光筏事業を計画し、1979年から観光筏下り事業が開始した。なお、観光筏下りを行う際には安全性を担保する必要があり、これが継承される技術のあり方に影響を与えていた。本研究の一部は、JSPS 科研21H03726の助成を受けた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740952174720
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_84
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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