「家族」を手放し,生きる基盤をつくる実践――非シスジェンダーヘテロセクシュアルを生きる「親子」の生活史から――

DOI Web Site 参考文献6件 オープンアクセス
  • 元山 琴菜
    北陸先端科学技術大学院大学グローバルコミュニケーションセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Being Free from “Family” and Creating a Living Foundation: The Life History of the Non-Cisgender-Heterosexual “Parent and Child”

説明

<p>本稿は,非シスジェンダーのヘテロセクシュアル(以下,非シスヘテロ)として生きることとなった「親子」の生活史から,家族をとりまく抑圧の構造と,そこからの解放に向けた実践を明らかにすることを試みた.「親」がもともとシスヘテロとして生活していた頃は,非シスヘテロの「子」との関係性は,抑圧の一部/被抑圧と対置され,分断された関係にあった.しかし,「親」が家族との物理的な距離をとり,非シスヘテロのアイデンティティを自覚することで,二人の関係性は変化していった.二人の関係を分断していたのは,家族成員を異性愛に押し込めることで異性愛規範を強化しつつ,性別役割分業に沿ったジェンダー役割を担わせることによって家父長制を強化する家族の抑圧的構造が原因であることを明らかにし,そのような家族を「家父長制異性愛規範家族」と呼んだ.そして,そこに包摂されない新しい関係性の可能性についても論述した.</p>

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