ロボトミーの歴史(10):ロボトミーの末裔
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- 田中 雄一郎
- 聖マリアンナ医科大学 脳神経外科学
説明
<p>精神外科の手術手技は3世代に分けて論じられることが多い。本シリーズ(1)~(9)では外科的手法で脳の特定部位を破壊する手術手技(surgical lesioning)さらにはあらゆる精神外科手技を一括してロボトミー(広義のロボトミー)と呼ぶことがあった。しかし本稿(10)ではモニスやフリーマンの時代の穿頭による破壊術を古典的なロボトミーと呼び,それに開頭による外科的な白質切開や部分的脳切除を合わせて第一世代の精神外科手技(狭義のロボトミー)と定義する。第一世代の精神外科手技が行われた期間は国によってまちまちであるが1935年からおよそ1960年代(日本では1970年代前半)までである。現在,第一世代の精神外科手技は行われておらず,第二および第三世代の精神外科手技が混在して諸外国で行われている。日本では第二世代精神外科手技が行われた形跡はなく,第三世代精神外科手技のなかで唯一TMS(経頭蓋磁気刺激)療法がうつ病に対して2019年に始まった。</p>
収録刊行物
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- 聖マリアンナ医科大学雑誌
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聖マリアンナ医科大学雑誌 51 (1), 29-31, 2023
学校法人 聖マリアンナ医科大学医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390577763022803584
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- ISSN
- 21890285
- 03872289
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可