遠隔地をつなぐ振動伝送体験デザイン原理の構築に向けて

書誌事項

タイトル別名
  • Towards Experience Design Principle that Connects Remote Areas using Vibration Information Transmission

抄録

直接的な身体接触を行うことなく,人と人とのつながりを,実感を持って感じられることを目指した,遠隔地を通信によってつなぐ振動伝送の体験デザインについて,具体的な事例を挙げ解説する.振動伝送によって実現されるコンテンツに,ストーリーや文脈を付加することによって,テクノロジーがより効果的に社会で利用される「つながりの場」を実現することをこれまで行ってきた.具体的には,視覚障がい者と遠隔で振動のリアクションを送り合う体験や,アスリートとその家族が遠隔でハイタッチをする体験,家庭料理の伝承のシーンに用いることで,離れた場所にいる親子が一緒に料理をしているという感覚を共有する体験,スポーツの試合会場と病院の無菌病棟に入院する子供たちをつなぐ体験のデザインを行った.双方向だけではなく,片方向の伝送として,遠隔で試合をするアスリートの動きを体感し,自分事として観戦する体感観戦の実現や,プロの料理人の包丁の動作の振動を体感できるシステム構成を実現した.また,人とのつながりだけでなく,空間にある振動まで含めた触覚風景や,収録者の視点を通して身体的経験も含めた体験デザインについても紹介する.

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