子どもたちの健康的な成長を目指したサポート活動

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抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p>現在地域の小学生サッカーチームに対してサポート活動を実施している.内容は,ケガをした子に対する運動およびストレッチ指導や病院受診のアドバイスに加え,子どもたちが健康的に成長できるための活動を行っている.今回その活動内容の内,(1)身長体重測定による成熟度評価,(2)適切なサイズの靴を履くための足サイズ測定を報告する.</p><p>【方法】</p><p>(1)身長および体重を4ヶ月に一度測定している.その上で,骨年齢と正の相関があるとされ成熟度の指標となる,体重(kg)を身長(cm)で除した比体重(kg/cm)の値を求めている.</p><p>(2)適切なサイズの靴を履けるよう足サイズ測定を4ヶ月に一度実施している.具体的には静止立位における足長と足囲を測定し,測定した足長と足囲から日本産業規格の靴サイズ表に基づいて靴のサイズと横幅(WIDTH)を算出している.そして,算出した靴サイズと横幅(WIDTH)を子どもと保護者に伝達している.</p><p>【結果】</p><p>(1)2020年10月に測定した値を学年ごとに身長,体重,比体重の順に示すと,3年生=130.1cm,26.7kg,0.205kg/cm,4年生=137.5cm,31.3kg,0.227kg/cm,5年生=137.2cm,30.9kg,0.225kg/cm,6年生=145.7cm,36.3kg,0.249kg/cmであった.学年が上がるにつれて値が増加する傾向があり,6年生は身長,体重,比体重全てにおいて他の学年より高値であった.しかし,4年生と5年生ではわずかに4年生の方が高値であり,逆転現象がみられた.</p><p>(2)2020年2月と10月に測定した37名において,2月測定時は適切と考えられる靴サイズより1cm以上大きい靴を履いている子の割合が13名(35%)みられたが,2月の測定および指導後の10月では5名(14%)と改善がみられた.</p><p>【結論】</p><p>(1)の結果から分かるように,子どもの成熟度は個人差が大きく暦年齢と必ずしも一致しない.このため,成長期にある子どもと関わる上で,身長体重測定による成熟度評価は重要と考える.また(2)の結果より,改善が認められているものの適切と考えらえる靴サイズより大きいサイズの靴を履いている子は一定数存在する.靴サイズの不適合は下腿および足部の障害発生や足の成長に関わるとされており,適切なサイズの靴を履くことは重要と考える.</p><p>【倫理的配慮、説明と同意】</p><p>「研究(活動報告)協力のお願い」をもとに,子どもおよび保護者に対して測定の内容を説明し,十分理解していただいた上で測定データの使用に同意いただいた.同時に,一度データの使用に同意した場合においても,自由にデータ使用の同意を取りやめることができる旨も説明した.データ測定時,疲労や実験のための時間的束縛により不都合が生じた場合においては,測定の中止・延期という対処をとるよう配慮した.痛みが生じた場合は速やかに測定を中止し,必要に応じて医師による診察を実施した.得られたデータの取り扱いは,個人情報が特定されないよう個人のプライバシーに配慮し管理した.</p>

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