階級と民族の《間》 : 金達寿論

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  • カイキュウ ト ミンゾク ノ アイダ キン タツジュ ロン

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抄録

金達寿の小説「朴達の裁判」には朴達という、奇妙な政治活動を行う朝鮮人青年が登場する。彼は警察に捕まるとすぐに転向する。だが解放されるとすぐに政治活動を再開する。これを際限なく繰り返す。彼の転向はいわゆる転向小説のように階級闘争を懺悔したものではないが、朝鮮人の民族闘争を描いたものでもない。むしろ従来の転向研究が自明視してきた、「階級か民族か」という二項対立的な構造の成立の基盤を危うくするものである。本論ではこのことを、金達寿の長編『日本の冬』との比較をとおして明らかにした。

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