手習の巻の作歌法

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  • テナライ ノ マキ ノ サッカホウ

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手習の巻と夢浮橋の巻の和歌全二十九首の内、二十五首は物語内引歌によって作られている。また残る四首も物語内歌を意識した歌の作り方である。物語内引歌は、歌だけでなく歌が詠まれた場面の想起を促すが、引歌した手習や夢浮橋の巻の場面は、もとの場面の継承や発展的展開ではなく、むしろ反転、相対化された場面となっている。物語の終焉にあたって、『源氏物語』は自らの相対化を、物語内引歌によって読者に発信している。

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