水槽実験によるスルメイカの擬餌針捕捉行動の観察

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タイトル別名
  • Laboratory observations on jig capturing behavior of the Japanese flying squid, Todarodes pacificus

抄録

擬餌針のシャクリ運動とスルメイカの擬餌針捕捉行動の関係を明らかにするために、実験水槽にスルメイカ62個体を収容し行動観察を行った。実験水槽内に擬餌針を投入してシャクリを行うと、擬餌針を認識したスルメイカは擬餌針の方向に体軸を向けて接近して捕捉を行った。一連のシャクリ動作中、スルメイカは擬餌針が落ちていくタイミングで行動を開始し、擬餌針が上昇していくタイミングで行動を開始する個体は見られなかった。スルメイカが前傾姿勢でホバリングしている場合、視軸が前方を向いていると考えられ、上から下に移動し視界に入ってくる物体のほうが、下から上に移動し視界の外に逃げていく物体よりも見やすいため、擬餌針が落ちていくタイミングで行動を開始したと考えられた。計10分間の観察で、52回の捕捉行動が観察された。最終的に擬餌針の捕捉に成功したのはそのうち3回のみであり、擬餌針に狙いを定めてから行動に移るまでの時間が限られていたことで接近する途中で捕捉を断念した個体が多かったと考えられた。擬餌針の捕捉に成功した例では、擬餌針の速度が遅くなったタイミングで擬餌針を捉えていた。スルメイカは、シャクリによって速度変化する擬餌針に対して、速度が遅くなるタイミングで捕捉を行うことで捕捉に成功しやすくなると推察された。

収録刊行物

  • 水生動物

    水生動物 2023 (0), AA2023-12-, 2023-06-14

    アクオス研究所

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