地域住民健診コホートの高齢者における入浴習慣と健康長寿との探索的研究

書誌事項

タイトル別名
  • Exploratory Study of Bathing Habits and Healthy Longevity among the Old Persons in a Community Health Examination Cohort
  • チイキ ジュウミンケンシン コホート ノ コウレイシャ ニ オケル ニュウヨク シュウカン ト ケンコウ チョウジュ ト ノ タンサクテキ ケンキュウ

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抄録

<p>背景・目的 研究の目的は、入浴習慣と客観的に評価した睡眠との関連、および動脈硬化との関連を検討することである。</p><p>方法 研究1は、2021年度に開催された垂水市在住者の健康チェック(垂水研究2021年)に参加した65歳以上の高齢者202人、研究2は、垂水研究2021年の全参加者のうち、血管硬化度の指標であるCAVI (Cardio-Ankle Vascular Index)を解析できた524人を対象者とした。入浴習慣は質問票により調査し、客観的睡眠評価は、アクチグラムを1週間装着して評価した。</p><p>結果 研究1:65歳以上の高齢者において、入浴習慣(自宅や温泉の入浴頻度、温泉の利用頻度、温泉でのコミュニケーション)とアクチグラフを用いて客観的に評価した睡眠時間や睡眠効率との関連を検討したが、有意な関連は認めなかった。研究2:自宅や温泉で毎日入浴する群(472人)のCAVI値は8.6±1.1であり、毎日入浴しない群(52人)のCAVI値9.3±1.4と比較して有意に低値を示した(p=0.002)。週1回以上温泉に行く群(124人)と週1回以上温泉に行かない群(400人)のCAVI値に有意差は認めなかった。</p><p>結論 65歳以上の高齢者において、入浴習慣と客観的に評価した睡眠時間や睡眠効率との有意な関連は認めなかった。若年者も含めた地域在住コホートにおいて、自宅や温泉に毎日入浴する群は血管硬化度が低いことが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 日本健康開発雑誌

    日本健康開発雑誌 44 (0), 69-74, 2023-06-14

    一般財団法人 日本健康開発財団

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