ニッケルチタンファイルの現在と未来

DOI
  • 八幡 祥生
    東北大学大学院歯学研究科エコロジー歯学講座歯科保存学分野
  • 齋藤 正寛
    東北大学大学院歯学研究科エコロジー歯学講座歯科保存学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Nickel-titanium files : Present and future

抄録

<p>抄 録:ニッケルチタンファイルは,開発されてから30年以上経過しているが,今なお多くの論文が発表され,新たな製品が市場に出るなど,歯内療法の関心事の大きな柱である.さらに近年では,ジェネリックファイルの登場や大学教育の場への浸透から,一般臨床医への広がりをみせており,この流れは今後も続きそうである.一方で使用意義については,成功率の向上に直結していないことは明らかであり,根管形成の限界は認識すべきである.ニッケルチタンファイルの臨床的有用性は,その母材となるニッケルチタン合金の金属材料の特徴によって支えられている.特に,オーステナイト相とマルテンサイト相の相変態挙動は,超弾性や形状記憶特性の本態をなし,柔軟性はもちろん疲労破折にも影響を与える.また,切削効率に関しては断面形態が大きなかかわりをもつ.ニッケルチタンファイルは,現在の根管形成に要求される要件の多くを満たしている.一方で,根管形成や根管洗浄の概念の見直しが進む昨今,それらの要求仕様に最適化されたニッケルチタンファイルが開発されていくことが期待される.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577917543711360
  • DOI
    10.20817/jeajournal.44.2_93
  • ISSN
    24239429
    13478672
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ