「いそのはまにつるのこゑごゑなくを」に関する一考察 : 紫式部集試論

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  • イソ ノ ハマ ニ ツル ノ コエゴエ ナク オ ニ カンスル イチ コウサツ ムラサキ シキブ シュウシロン

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紫式部集二一番の「いそのはまにつるのこゑごゑなくを」に関して考察を加え、「浜」には「いそ」を除外しない用法があり「いそのはま」は普通名詞と解し得ること、また夏に「つるのこゑごゑなく」とあるのはコウノトリのことであることを、古代中国以来「鶴」という語は鶴類もコウノトリも含む概念で用いられ、コウノトリは「千歳之鶴」として当時の「鶴」を代表し「声」「鳴く」と表現され、人々が一年中コウノトリと近く交わっていたので紫式部が「こゑ」だけで「たづ(コウノトリ)」と識別し得たこと等に拠り指摘し、ニ一番を越前下向時の詠として良いと結論した。

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