SDGs 時代の病害虫管理
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- 後藤 千枝
- 農研機構本部事業開発部地域連携課
書誌事項
- タイトル別名
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- Pest Management in the Era of the Sustainable Development Goals
- Reconsideration of Microbial Pest Control
- ― 微生物利用による防除の再考 ―
抄録
<p>農業を含む全ての産業にSDGsの達成に向けた努力が求められるなか,農林水産省は「みどりの食料システム戦略」を策定し,「化学農薬の使用量50%低減」ならびに「有機農業の取組面積割合を25%に拡大」を目標に掲げた。目標達成には生物的防除法のさらなる活用が不可欠であることから,今後,微生物農薬の需要も拡大すると考えられる。しかし,日本における微生物農薬の登録件数や出荷量の推移はこの数十年間横這いで,本分野の技術開発や実用化の停滞を示唆している。他方,EUや米国では,微生物農薬の登録件数は近年増加傾向にある。農薬登録されている微生物の種類は日本よりも多く,殺虫剤ではバキュロウイルスや昆虫寄生性線虫,殺菌剤では糸状菌の実用化が進んでいる。今後,日本においても,新たな素材の発掘や既知の素材の再評価による微生物農薬の充実が望まれる。加えて,土壌改良材やバイオスティミュラントなどの多様な形態での微生物利用も視野に入れ,新たな病害虫管理体系の構築と農業現場への定着を進めることが必要である。</p>
収録刊行物
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- 関東東山病害虫研究会報
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関東東山病害虫研究会報 69 (0), 1-8, 2022-12-01
関東東山病害虫研究会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390577973012740736
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- ISSN
- 18842879
- 13471899
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可