交連部離開を起こした大動脈弁位Mosaic生体弁の1例

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  • Commissural Dehiscence of Aortic Mosaic Bioprosthesis:A Case Report

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抄録

<p> 症例は85歳男性.71歳時に大動脈弁狭窄症兼閉鎖不全症(二尖弁)に対し,Mosaic生体弁23 mmを用いた大動脈弁置換術を施行した.年に1回の定期的な心エコー検査にて置換した大動脈弁や心機能に問題なく経過していた.2021年4月起座呼吸が突然出現し,肺うっ血と胸水貯留を認め,心不全と診断され入院となった.心精査にて重症大動脈弁位人工弁逆流を認め,内科的治療にもかかわらず心不全症状が持続したため,再弁置換術を行った.摘出したMosaic弁は左-右冠尖交連部が広範囲にわたりステントポストより離開しており(commissural dehiscence),左および右冠尖の逸脱を認めた.軟線写真では弁尖の石灰化はみられず離開した交連部に軽度の石灰化を認めた.Mosaic弁は第三世代のブタ生体弁であり良好な長期成績が報告されているが,術後14年目に大動脈弁位での交連部離開による急性大動脈弁位人工弁逆流を呈し再弁置換術を行ったので文献的考察を加えて報告する.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 54 (6), 686-690, 2022-06-15

    公益財団法人 日本心臓財団

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