口蓋裂児における新生児聴覚スクリーニング検査結果と滲出性中耳炎に関する検討

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タイトル別名
  • Investigation of newborn hearing screening test results and otitis media with effusion in children with cleft palate
  • コウガイレツジ ニ オケル シンセイジ チョウカク スクリーニング ケンサ ケッカ ト シンシュツセイ チュウジエン ニ カンスル ケントウ

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抄録

<p>当院形成外科にて口蓋形成術を施行した口蓋裂児77例について,新生児聴覚スクリーニング(NHS)検査結果および滲出性中耳炎(OME)の評価と治療について検討を行った.NHS施行例73例のうち両側pass例を53例(73%)認め,生後3か月以内の初診時に鼓膜観察が可能であったNHS pass耳47耳中44耳(94%),refer耳17耳中14耳(82%)に中耳液貯留所見を認めた.口蓋形成術時77例154耳中116耳(75%)が鼓膜換気チューブ留置適応あり群であり,内訳はチューブ留置術施行が107耳,チューブ留置困難が8耳,穿孔残存が1耳であった.NHS pass耳とrefer耳では鼓膜換気チューブ留置適応に有意差を認めなかった.以上より,口蓋裂児の中耳貯留液はNHS検査後に増加し,その後口蓋形成術時まで貯留が遷延する可能性が示唆された.NHS検査結果に関わらず,口蓋裂児はOMEの経過を慎重に観察する必要があると考えられた.</p>

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