腹部自家組織による乳房再建術のリハビリテーション治療

  • 肥田 理恵
    国立病院機構北海道がんセンターリハビリテーション科
  • 沢田 よしみ
    国立病院機構北海道がんセンターリハビリテーション科
  • 藤嶋 亮太
    国立病院機構北海道がんセンターリハビリテーション科
  • 森瀬 脩平
    国立病院機構北海道がんセンターリハビリテーション科
  • 齋藤 亮
    国立病院機構北海道がんセンター形成外科
  • 小山内 俊久
    国立病院機構北海道がんセンターリハビリテーション科

書誌事項

タイトル別名
  • Feasibility of a Home-based Exercise Program after Abdominally Based Autologous Breast Surgery Reconstruction:An Observational Study
  • ―在宅訓練の実行可能性に関する観察研究―

抄録

<p>目的:乳房再建術のリハビリテーション治療については報告が少なく,標準的なプログラムもない.本研究の目的は,われわれが作成したプログラムの実行可能性を検討することである.また,術後の身体機能と生活の質(QOL)の推移も報告する.</p><p>方法:2020年9月から2021年10月に,当院で横軸型腹直筋皮弁または深下腹壁動脈穿通枝皮弁による再建術を受けた乳がん患者15人を前向きに評価した.プログラムはプレハビリテーションから始まり,入院中はセラピスト監視下訓練,術後12週目までは在宅自主訓練とした.自己記入の訓練実施表から実施率と実行上の課題を調査した.そして術後4,8,12,24週にセラピストが関節可動域,筋力,上肢機能障害,健康関連QOL,生活活動などを評価して術前と比較した.</p><p>結果:観察期間中にプログラムに起因する有害事象は認めず,全員が離脱なくプログラムを完遂した.在宅訓練実施率は71.1%だったが,経時的に低下する傾向があった.上肢機能は術後8週で回復したが,体幹機能,QOL,生活活動は術後12週でも術前に復していなかった.患者の意見には自主訓練の有用性を評価するものがある一方で,訓練順序の効率の悪さや復職後の実施困難さを指摘するものがあった.</p><p>結論:セラピストによる定期的評価と指導は乳房再建術後の在宅訓練の継続を可能とする.プログラムに基づいたリハビリテーション治療は術後の早期において,社会復帰を促進しQOL向上に寄与する可能性がある.</p>

収録刊行物

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ