Abstract
<p>BPO(放送倫理・番組向上機構)は,4月に「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」に関する見解を出した。BPOは,ポケモン事件(1997)や教師刺殺事件(1998)をきっかけに,テレビ局の自主規制組織として作られ,市民の声に基づいて暴力や「やらせ」番組などを視聴し,審議してきた。心理学関係者が委員や研究協力者として携わってきている。今回は,教育の変化と学校の多忙化という2点で,子供とテレビについて議論したい。学校はオンライン授業や電子教科書の使用など,映像を読み取る内容が増えている。映像を読みとる力が,学習の前提になったのである。当然であるが,学校は教科書や自宅学習用映像を正しいものとして教えている。映像を正しいもの,学ぶものとして扱うのである。その一方,学校が多忙化していることは周知のことであり,バラエティー番組のいじめや暴力を授業で取り扱うこと,ましてやリアリティーショーを装った番組の背景などを教育する余裕はない。すでに学校はいじめ対策に多くの時間を割いている。その実態を知った上で,BPO委員,学校現場経験者,テレビ理解,長期的発達の専門家とともにテレビの議論を行いたい。</p>
Journal
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- The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association
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The Proceedings of the Annual Convention of the Japanese Psychological Association 86 (0), SS-029-SS-029, 2022
The Japanese Psychological Association
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Keywords
Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390578160858599552
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- ISSN
- 24337609
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
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- Abstract License Flag
- Disallowed