「通いの場」を拠点とした地域在住高齢者の在宅フレイル予防プログラムの開発:みんなでHEPOP!

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  • 「 カヨイ ノ バ 」 オ キョテン ト シタ チイキ ザイジュウ コウレイシャ ノ ザイタク フレイル ヨボウ プログラム ノ カイハツ : ミンナ デ HEPOP!

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抄録

<p>目的 フレイルとは,加齢により心身の活力が低下した状態を意味し,介護が必要となる前段階と定義される。新型コロナウイルス感染症の流行により,多くの地域在住高齢者は他者との交流の機会の喪失や身体的な活動量の低下を余儀なくされ,急速にフレイルに陥る危険性が高まった。そこで,地域住民主体の介護予防活動グループ(通いの場)拠点とし,高齢者がグループのつながりを保ちつつ,自宅で単独で行えるフレイル予防のための運動プログラムの開発を行った。プログラムの開発過程では,現場の実情・ニーズを把握し,プログラムの実施可能性への示唆を得ることを目的として,フォーカスグループ(FG)を実施した。</p><p>方法 国立長寿医療研究センターが開発したフレイル予防のための啓発冊子,「在宅活動ガイド」に収載されたメニューを用いて,Ask(評価),Advise(助言),Agree(合意),Assist(支援),Arrange(手配)の5つの段階から構成された5Aアプローチに基づくプログラム案を作成した。次に「通いの場」のボランティアスタッフにプログラム案を説明し,実施可能性についてFGを行った。話し合われた内容をテキスト化して分析し,理論記述を行った。プログラム案は再度ボランティアスタッフ,保健師,研究者で検討し,最終的に確定した。</p><p>活動内容 FGの結果,運動プログラムの促進要因として,日常生活に取り込むことができること,専門家の勧めがあること,自分だけではなく周囲の人とのかかわりがあることが挙げられた。また,プログラムの実施可能性を高めるものとして,やるべきことを明確にすることと,「認める・褒める」体制の重要性が確認された。さらに,ボランティアスタッフが通いの場参加者との自然なつながりを重視していることが明らかとなった。以上をふまえ,高齢者が目標設定と記録表の作成を行って運動状況を可視化し,ボランティアスタッフが参加者の行動を確認,承認し,肯定的にサポートする仕組みとした。</p><p>結論 FGにより,現場の実情・ニーズを把握し,実施可能性を高める工夫を加えたフレイル予防プログラムが完成した。</p>

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