ノーバディーズ・パーフェクト育児支援に参加した母親の悩みと気持ちの変化の対応

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  • ノーバディーズ ・ パーフェクト イクジ シエン ニ サンカ シタ ハハオヤ ノ ナヤミ ト キモチ ノ ヘンカ ノ タイオウ

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<p>目的 育児支援プログラムであるNobody’s Perfect(ノーバディーズ・パーフェクト:NPプログラム)による参加前の母親の悩みと参加後の気持ちの変化の対応を明らかにすることを目的とした。</p><p>方法 静岡市内のNPO法人place of peaceにて実施されたNPプログラムに,2013年9〜10月(並行して2回開催),2015年6〜7月,2015年10〜11月,2016年1〜2月,2018年6〜7月,2019年1〜2月,2019年2〜3月,2019年9〜10月に参加した母親を対象とした。プログラム参加前と参加後の自由回答を,KH Coderを用いてテキストマイニングを行った。定量的分析として,自由回答をコーデイングし,単純集計を行った。「NPプログラム参加前の日常生活と子育ての悩み」の各コードと「NPプログラム参加後の母親の変化」の各コードの関連についてχ2検定を行った。</p><p>結果 対象者は93人であった。「NPプログラム参加前の日常生活と子育ての悩み」については,「母親の心身の調子」に悩みがある者が69人(74.2%),「NPプログラム参加後の母親の変化」については,「感情のコントロール」に変化がある者が37人(39.8%)と最も多かった。「NPプログラム参加前の日常生活と子育ての悩み」の各コードの該当の有無と「NPプログラム参加後の母親の変化」の各コードの該当の有無の比較では,「子育ての仕方・方法」に悩みがある場合は,プログラム参加後に「家族への想いの伝え方」に変化が観察された(p=0.037)。また,「子どもとのコミュニケーション」に悩みがある場合は,プログラム後に「物事に対する客観的な視点」に変化が観察され(p=0.002),「夫・親族からのサポート不足」に悩みがある場合は,「参加者同士の話し合いによるポジティブな考え方」(p=0.01)および「安心感・孤独感の軽減」(p=0.012)の変化が観察された。</p><p>結論 NPプログラムの参加前に子育ての仕方や方法で悩む母親は,NPプログラムを通して育児方針や育児負担について,夫や家族と相談するようになり,参加前に子どもとのコミュニケーションで悩んでいた母親は,子どもとの関わりを客観的に評価できるようになった可能性が示唆された。また,母親同士がつながることで,参加者同士の情緒的サポートが母親のポジティブな考え方や孤独感の軽減に関わった可能性が示唆された。</p>

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