ハンドヘルド型蛍光X線分析計による地質標準試料の化学分析

DOI
  • 氷見 翼
    富山大学大学院理工学研究部地球生命環境科学専攻
  • 小林 亮平
    富山大学大学院理工学研究部地球生命環境科学専攻
  • 丸茂 克美
    富山大学大学院理工学研究部地球生命環境科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Chemical Analysis of Geological Standard Samples Using a Handheld XRF Analyzer

抄録

<p>ハンドヘルド型蛍光X線分析計(PXRF)を用いて25個の地質標準試料(火成岩,堆積岩,河川堆積物の粉末試料)に含まれるアルミニウム,ケイ素,カルシウム,チタン,マンガン,鉄,亜鉛,鉛の特性X線強度を測定し,地質試料分析用の検量線を作成した結果,アルミニウム,ケイ素,カルシウム,チタン,亜鉛,鉛で相関係数が0.95を超える良好な検量線が得られた.マンガン,鉄の検量線の相関係数はそれぞれ0.87と0.93であった.</p><p>コンプトン散乱補正(C/R比補正)を行うため,各標準試料のRh Kα線のレイリー散乱線とコンプトン散乱線の強度を測定し,各特性X線強度のコンプトン散乱補正(C/R比補正)を行った結果,マンガンと鉄の検量線の相関係数はそれぞれ0.93と0.98に改善された.また,Rh Kα線のコンプトン散乱線の発生量は標準試料の鉄含有量が増加するほど減少する傾向にある.</p><p>これらの地質標準試料をPXRFで分析し,アルミニウム,ケイ素,カルシウム,チタン,マンガン,鉄,亜鉛,鉛含有量をファンダメンタルパラメータ(FP)法で計算し,認証値と比較した結果,いずれも相関係数が0.99を超えることが明らかにされた.PXRFを用いた鉱山地帯や土壌汚染地での現場分析におけるFP法の有用性が確認された.</p>

収録刊行物

  • X線分析の進歩

    X線分析の進歩 50 (0), 113-136, 2019-03-31

    公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390578283211098112
  • DOI
    10.57415/xshinpo.50.0_113
  • ISSN
    27583651
    09117806
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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