光線力学療法における皮膚光線過敏症リスクの定量評価

  • 小川 恵美悠
    北里大学 医療衛生学部 北里大学大学院 医療系研究科
  • 伊藤 颯人
    北里大学大学院 医療系研究科
  • 熊谷 寛
    北里大学 医療衛生学部 北里大学大学院 医療系研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Quantifying the Risk of Cutaneous-Photosensitivity in Photodynamic Therapy

抄録

<p>現在,光線力学療法(Photodynamic Therapy: PDT)では光線過敏症を回避するために2週間の遮光期間が取られている.しかし患者の薬剤代謝はこれよりも早いケースもあり,2週間の遮光期間が冗長となる可能性がある.また現在の光線過敏試験では侵襲性がある点,天候に左右される点,評価が定性的である点に課題がある.著者らは画像解析による光線過敏反応の定量化を行い,蛍光計測を用いたモニター装置および薬剤代謝を推定する数理モデルと組み合わせることで,新たな光線過敏試験および遮光管理の実現を目指している.本稿では,光線過敏試験の現状,定量化手法,およびこれまでに開発されたモニター装置について概説する.RGB,CIELAB,HSVの3つの色空間を用いて評価を行った結果,CIELAB色空間は光線過敏反応による発赤の定量評価に最も効果的であった.これらの光線過敏症リスクの定量的な評価の実現は,患者のQOL改善および医療コスト削減の両方のメリットを生むものと期待される.</p>

収録刊行物

参考文献 (18)*注記

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