深紫外発光ダイオードを用いた短波紫外線観察器の評価

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Shortwave UV fluorescence observation under deep-UV LED light source.

抄録

<p>紫外線蛍光観察器は現在長波短波共に水銀ランプと波長選択フィルタを用いてそれぞれの水銀スペクトルの輝線波長を利用した蛍光を観察している。紫外線用水銀ランプは規制の対象外であり今後も製造されていくとみられるが早い段階で代替手段の評価も必要である。</p><p>長波紫外線に相当する 365nm 付近を中心発光波長とする発光ダイオードは以前から販売されており代替可能な発光強度の物が水銀ランプを下回る価格で流通している。短波紫外線については今のところ全く同じ波長の発光ダイオードは流通していない。</p><p>2010 年代中ごろから 280-260nm 付近の深紫外発光ダイオードが販売されていたが当時は発光強度が極度に低く価格、寿命共に水銀ランプに及ばないものであった。近年価格も寿命も改善し殺菌灯の代替品として大量に流通している。</p><p>今回はこの深紫外発光ダイオードを用いて短波で蛍光を発する宝石種の蛍光色を水銀ランプを用いた短波紫外線と比較した。</p><p>発光波長は水銀ランプが 254nm 付近で発光ダイオードはばらつきがあるものの概ね 280-260nm 程度で水銀ランプに比べてやや長波長である。発光強度は 4-8W 程度の水銀ランプに比べても特に見劣りしない。窓材やその周囲の封止材は殆ど蛍光を発しないため発光ダイオードは紫外線を選択的に透過させるフィルターなしで評価した。</p><p>評価の結果の一例として加熱されたブルーサファイアや合成ブルーサファイアは白濁蛍光を発することがよく知られているが発光ダイオードではやや緑掛かった白濁蛍光を示した。そのほかの宝石種についても本編では報告する。</p><p>全般に蛍光の色調は一部差が認められるものの蛍光の有無や色はよく似ており差異を知った上で使用すれば代替は不可能ではない。今後さらに短波長の発光ダイオードが流通し始めると完全に水銀ランプを置換可能になると思われる。</p>

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390578360713815936
  • DOI
    10.14915/gsj.45.0_3
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ