回腸への直接浸潤による腸閉塞で発症した虫垂粘液癌の1例

  • 髙橋 義也
    沖縄県立八重山病院外科 弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座
  • 鍵谷 卓司
    沖縄県立八重山病院外科 弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座
  • 市澤 愛郁
    沖縄県立八重山病院外科 弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座
  • 山本 孝夫
    沖縄県立八重山病院外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Mucinous Carcinoma of the Appendix Caused by Intestinal Obstruction Due to Direct Invasion of the Ileum
  • カイチョウ エ ノ チョクセツ シンジュン ニ ヨル チョウ ヘイソク デ ハッショウ シタ チュウスイ ネンエキガン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は51歳の女性で,幼少期にTurner症候群と診断されている。腹痛と嘔吐を主訴に来院し,腹部CT検査で回腸に腫瘤性病変による閉塞と口側の小腸拡張を認めた。腫瘍マーカーが高値であり,悪性腫瘍による腸閉塞の診断で入院となった。経鼻イレウス管で減圧を行い,小腸内視鏡では小腸外腫瘍の圧排が原因と考えられた。腸閉塞解除と根治術目的に開腹すると,回盲弁から約10cm口側の回腸に腫瘍性病変による狭窄が認められ,虫垂先端および右卵管へ浸潤していた。既往を踏まえて産婦人科へコンサルトも行い,子宮付属器腫瘍ではなく消化管原発腫瘍と考えられたため,浸潤臓器の合併切除を伴う回盲部切除術およびリンパ節郭清を施行し,病理組織学検査で虫垂粘液癌と診断された。術前診断が困難な虫垂粘液癌であっても消化管原発腫瘍を疑い根治切除を行うことで良好な転帰をたどることができると考えられたため,文献的考察を加えて報告する。</p>

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