胸管結紮術で改善せずリンパ管造影で治癒した肺癌術後乳糜胸の1例

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タイトル別名
  • A Case of Lymphangiography for Postoperative Chylothorax Resistant to Thoracic Duct Ligation
  • キョウカン ケッサツジュツ デ カイゼン セズ リンパカンゾウエイ デ チユ シタ ハイガン ジュツゴニュウビキョウ ノ 1レイ

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抄録

<p>乳糜胸は肺癌切除術の合併症の一つであり1.2~3.0%に発生すると言われている.治療には絶食および中心静脈栄養による保存的治療や胸管結紮術が行われることが多いが,近年はリンパ管造影の有用性も報告されており,今回,リンパ管造影にて治療しえた術後乳糜胸を経験したので報告する.症例は40歳,女性.左上葉肺腺癌(cT4N0M0:cStage IIIA)に対して左上葉切除術および迷走神経,横隔神経合併切除,上縦隔リンパ節郭清が施行された.術後3日目に乳糜胸と診断,保存的治療に反応せず胸管結紮術を施行したが改善しなかったため,術後30日目にリンパ管造影を施行した.造影翌日よりドレーンからの乳糜胸水の排液が止まり,術後37日目に退院となった.施行可能な施設が限られているが,治療抵抗性の術後乳糜胸に対する治療選択肢としてリンパ管造影は有用と考えられた.</p>

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参考文献 (16)*注記

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