地域における下水汚泥の農業利用の普及に必要な人物のタイプ~イノベーション普及理論からの考察~

DOI
  • 加藤 裕之
    東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 下水道システムイノベーション研究室
  • 星野 まどか
    東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 下水道システムイノベーション研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Types of people needed to promote agricultural use of sewage sludge in the region ~ A Study from Innovation Diffusion Theory ~

抄録

<p> 循環型社会の形成及び低炭素社会の構築のために下水汚泥のエネルギー利用と共に農業利用の普及が求められているが全国的に見ると利用率の拡大は見られない。本稿では,下水汚泥の農業利用の普及に成功し「国土交通大臣賞循環のみち下水道賞」を受賞した佐賀市,岩見沢市,秋田県の3つの地域を取り上げ、普及に重要な役割を果たした人物に注目した調査を行った。具体的には、佐賀市の中心人物と農家にインタビューやアンケートを行った結果をRogersのイノベーション普及理論と照合させて、普及に必要となる人物のタイプについての仮説を立てた。そして岩見沢市と秋田県への適用性を検証した。</p><p> その結果、普及プロセスには,Rogersの理論と共通する点がある一方で公的機関の支援が普及に効果がある等の下水汚泥肥料ならではの特徴が見られた。そして,下水汚泥の普及に成功している地域は,普及段階に応じて「利他の精神」のスーパーマン,スーパーマンに共感して普及活動を行う「伝道師」が存在し、普及拡大に大きな役割を果たしていた。また,アンケートより一般の農家は下水汚泥肥料の経済的メリットへの関心が最も高いこと,そして地域資源循環という環境問題への関心も高いことがわかった。</p>

収録刊行物

  • 下水道協会誌

    下水道協会誌 60 (730), 108-116, 2023-08-01

    公益社団法人 日本下水道協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390578437525819008
  • DOI
    10.24748/jswa.60.730_108
  • ISSN
    24342475
    00214639
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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