大学生の足部トラブルが主観的疲労に与える影響

  • 大重 育美
    長崎県立大学シーボルト校看護栄養学部看護学科
  • 新田 祥子
    長崎県立大学シーボルト校看護栄養学部看護学科
  • 坂本 仁美
    長崎県立大学シーボルト校看護栄養学部看護学科
  • 山口 多恵
    長崎県立大学シーボルト校看護栄養学部看護学科

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of College Students’ Foot Troubles on Subjective Fatigue
  • ダイガクセイ ノ ソクブ トラブル ガ シュカンテキ ヒロウ ニ アタエル エイキョウ

この論文をさがす

抄録

<p>青年期の大学生は,6割が慢性的な疲労を自覚している。また運動習慣のない学生がいることもあり,活動量低下に伴う姿勢の安定性低下が危惧される。大学生は,普段から荷重のかかる鞄を保持することで立位バランスが不安定になりやすく,それは足部の状況が影響しやすいと考えられた。本研究では,青年期の大学生を対象に足部トラブルが疲労にどのように影響を与えているのかを主観的な疲労評価と足部測定により明らかにすることを目的とした。なお,足部トラブルとは,爪部も含む足部の異常を訴えることを指している。</p><p>対象は,看護学生で,平均年齢19.9歳,女性78名,男性7名,BMIの平均は20.5であった。調査項目は,対象者の年齢,BMI,足部トラブル,青年用疲労自覚症状尺度(Subjective Fatigue Scale for Young adults:SFS-Y)で自記式質問紙で実施した。調査方法は,自記式質問紙の内容をGoogle Formsを用いて留め置き法で行い,足部測定はフットルック社のフットルックを用いた。フットルックでは,浮き趾,母趾角度と小趾角度を測定し,外反母趾の有無を評価した。主観的な足部トラブルの有無によって2群に分け,各項目を比較した。その結果,対象者の平均年齢19.9歳,BMIの平均20.5であった。足部トラブルのある者は45名(53%),トラブルのない者は40名(47%)であった。足部トラブルのある者45名(53%)中,爪部トラブルを有する者が14名(17%),爪部以外の足部トラブルを有する者が31名(36%)であった。主観的な疲労では,SFS-Y の6つの下位尺度の中,だるさ,活力低下,ねむけ,身体違和感の4つの下位尺度が足部トラブルのある方が有意に高かった(p<0.05)。足部測定では,外反母趾(右)および内反小趾(右)で足部トラブル有群に多い傾向であった。したがって,足部トラブルを有する青年期の看護学生は,身体違和感,ねむけ,活力低下,だるさの疲労特性を感じやすく,足部の形態上,外反母趾を有しやすく姿勢の不安定さにつながる可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ