術前に卵巣腫瘍と診断した40 cmを超える巨大変性子宮広間膜内筋腫の1例

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タイトル別名
  • A case of degenerative broad ligamental uterine leiomyoma larger than 40cm preoperatively diagnosed as an ovarian tumor
  • ジュツゼン ニ ランソウ シュヨウ ト シンダン シタ 40cm オ コエル キョダイ ヘンセイ シキュウ ヒロママク ナイ キンシュ ノ 1レイ

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抄録

子宮筋腫は一般に女性の20-25%に存在するとされるが,巨大化に伴い多彩な変性所見を示し診断を難しくする.今回,術前に卵巣腫瘍と診断した巨大変性子宮広間膜内筋腫のまれな1例を経験したため文献的考察を加え報告する.症例は43歳女性で3妊2産,月経は26日周期で整順かつ随伴症状なく,既往歴はない.約1年前から増悪する腹部膨満感を主訴に当院内科を受診,腹部CT検査で卵巣腫瘍を疑われ当科紹介となった.恥骨から季肋部に至る弾性硬の腫瘤を触れた.腫瘍マーカーの上昇は認めなかった.骨盤部MRI検査では境界悪性以上を疑う左卵巣腫瘍の診断であったため開腹手術を行った.術中所見で腫瘍は子宮広間膜下に発育しており,子宮との連続性を認めた.摘出腫瘍重量は約17 kgに達した.病理組織学的診断は変性平滑筋腫であり,術中所見と合わせて変性子宮広間膜内筋腫と診断した.骨盤内に巨大卵巣腫瘍を疑った際には子宮広間膜内筋腫も鑑別に挙げることが重要である.〔産婦の進歩75(3):262-268,2023年(令和5年8月)〕

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