ヒッタイト語楔形文字粘土板から導き出される新たな音韻特徴
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- 吉田 和彦
- 京都産業大学
書誌事項
- タイトル別名
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- A New Phonological Feature Obtained from Hittite Cuneiform Clay Tablets: The Linguistic Contrast between Single and Double Affricates
- ――破擦音の長短の対立――
抄録
<p>古代アナトリアにおいて楔形文字粘土板に記録されたヒッタイト語の音韻特徴として,子音の長さの対立は閉鎖音,摩擦音,共鳴音,喉音においてみられるが,破擦音については対立がないと従来考えられてきた。しかしながら,文献学の立場から古期,中期,後期ヒッタイト語という厳密な時代区分を行ったうえで分析すると,古期ヒッタイト語において母音間のシングルの-z-がアナトリア祖語の*dに遡る例があることが分かった。他方,シングルの-z-が*tを反映している例はない。この知見は,アナトリア祖語の*tiは*tsiになる一方,*diは*dziになるという音変化を示している。そして無声の破擦音はダブルの-zz-で書かれ,有声の破擦音は-z-で書かれる。子音の有声無声という特徴が閉鎖時間の長さと相関することはよく知られている。したがって,古期ヒッタイト語では破擦音にみられる子音の長さの対立がなお存続していたことが分かる。</p>
収録刊行物
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- 言語研究
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言語研究 164 (0), 67-91, 2023
日本言語学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390578669719915904
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- ISSN
- 21856710
- 00243914
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可