人々とスポーツ国際大会

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タイトル別名
  • How People Perceive International Sporting Events
  • Consideration Based on Public Opinion Surveys of NHK Broadcasting Culture Research Institute
  • 文研の世論調査から考える

抄録

文研が過去に実施した「全国個人視聴率調査」や「東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」の結果を、長期的・横断的に分析し、視聴実態と意識の両面から、人々とスポーツ国際大会との関わりを考察する。 実態面では、人々がスポーツの国際大会を、“ふだんのスポーツ”よりもよく視聴していた。その傾向は女性40・50代で顕著で、たとえば2022年調査では、国際大会であるサッカーの視聴率が18%と高かったが、国内大会の陸上競技やゴルフなどはほとんど見られなかった。 その背景には、人々が「日本選手が世界に挑む姿を応援し、勝利を大いに喜ぶ」意識がある。たとえば「東京オリンピックで最も印象に残ったこと」として、女性50代では「日本が過去最多の金メダルを獲得したこと」が37%で最も多く、「若い選手の活躍」などを上回った。また、「印象に残った競技」でも日本勢が金メダルを獲得した「卓球」「柔道」などを挙げた人が多く、大会前に観戦意欲を持っていた人が13%しかいなかった「スケートボード」も、日本勢の活躍により、大会後は37%の人が「印象に残った」と答えた。 一方で、リオデジャネイロオリンピックで日本がメダルを獲得した競技への観戦意欲が、大会後わずか2年ほどで減少したほか、東京オリンピック・パラリンピックの盛り上がりが「一時的なものにすぎなかった」と考える人が65%に達するなど、国際大会をきっかけとしたスポーツの盛り上がりは“熱しやすく、冷めやすい”一面も浮き彫りになった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390578669727837824
  • DOI
    10.24634/bunken.73.8_52
  • ISSN
    24335622
    02880008
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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