イネ胚乳澱粉合成研究と私

  • 中村 保典
    秋田ナチュラルサイエンスラボラトリ 秋田県立大学生物資源科学部(名誉教授)

書誌事項

タイトル別名
  • A Note of the Present Status of Studies on Starch Biosynthetic Process in Rice Endosperm

抄録

澱粉は主食のエネルギー成分であるばかりでなく,多様な物性は3,000品目を越える商品に利用されてきた。ただし,野生型品種の種間差をベースとした利用例が大部分である。近年の生合成研究の目覚ましい成果により,澱粉の複雑で階層的な構造の決め手となっている酵素要因(遺伝子要因)が明確になり,澱粉の構造や性質を意図的に改変する技術の基盤ができた。我が国では,コメの多様な用途を開発するためにも,特定の遺伝子機能が変異した変異体を母本として,例えば難消化性などの機能性を付与した新品種の作成,即ちデザイン育種が期待されている。生合成研究の最先端におられる著者からのメッセージ,ぜひご一読いただきたい。

収録刊行物

  • 日本醸造協会誌

    日本醸造協会誌 113 (5), 276-281, 2018

    公益財団法人 日本醸造協会

参考文献 (13)*注記

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