ビタミンCの体内動態制御機構の温故知新―ついに見出された哺乳類の排出型輸送体VCEP

  • 豊田 優
    東京大学医学部附属病院薬剤部 防衛医科大学校分子生体制御学講座
  • 宮田 大資
    東京大学医学部附属病院薬剤部
  • 高田 龍平
    東京大学医学部附属病院薬剤部

書誌事項

タイトル別名
  • Recent Advances in Research on Vitamin C Transporters
  • ビタミン C ノ タイナイ ドウタイ セイギョ キコウ ノ オンコ チシン : ツイニ ミイダサレタ ホニュウルイ ノ ハイシュツガタ ユソウタイ VCEP

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抄録

<p>ビタミンC (VC) は, 日常生活でも耳にするほど知名度が高い必須栄養素である。VCが欠乏すると, 古来より知られる病気のひとつである壊血病になり, 死に至る。1920年にオレンジに含まれる抗壊血病因子をVCと呼ぶことが提案され, 今日に至るまでその生理機能が精力的に研究されてきた。ヒトは体内でVCを合成できないため, 食事から摂取し, 体の隅々に行き渡らせる必要がある。しかし, その仕組みの全容は明らかになっておらず, 分子実体の多くが未解明である。生体内でもっぱらアニオン型として存在するVCは受動的に細胞膜を透過できないため, その体内動態制御にはVCを基質とする膜輸送体の存在が必須である。ヒトのVC輸送体は取り込み型の2種類が知られるのみであったが, ごく最近, 排出型の新規輸送体が見出され, VCEPと命名された。本稿では, VCの体内動態制御機構について概説したのち, VC輸送体に関する最新の知見を紹介する。</p>

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