分娩時流涙と唾液コルチゾールの関連

DOI
  • 稲葉 弥恵子
    兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科博士後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between intrapartum lacrimation and salivary cortisol:Devised method for delivery progress monitoring using saliva indices
  • -唾液指標による分娩進行モニタリング法の考案-

抄録

目的:分娩進行状態の客観的モニタリング指標として,唾液によるコルチゾール,アミラーゼ,オキシトシンの利用可能性を調査・検証すること.方法:正常産婦10名の,分娩1期(子宮頸管6~7cm 開大),分娩2時間後,分娩2日後に唾液採取し濃度を測定した.結果:唾液コルチゾール濃度は3時点で有意に減少した.また,分娩第1期と分娩2日のコルチゾール濃度の差と,分娩2日までの流涙の有無では,有意に相関があった.アミラーゼとオキシトシンは,いずれも相関はなかった.考察:コルチゾールは,最も客観的に分娩時の痛みやストレスを捉えることができた.また,苦悶表情のない産婦は,唾液コルチゾール濃度が6番目に高く,分娩進行の推移を反映していた.したがって,分娩進行の客観的なモニタリング方法として唾液コルチゾール濃度を測定することの有用性を示唆しており,墜落分娩や遷延分娩の予防と早期診断に使用できる可能性があると考える.<br><br>【キーメッセージ】<br>1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?<br> 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?<br>→墜落分娩や急産には,いまだに診断指針がなく,分娩時刻の予測が困難であること.<br><br>2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?<br>→ 唾液コルチゾールによる分娩進行状態のモニタリングが,前記の予防と早期診断に繋がる可能性がある.<br><br>3.今後どのような技術が必要になるのか?<br>→コルチゾールを,たとえば入院時と1 時間後にベッドサイドで負担なく簡易測定できる技術.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390578768999982336
  • DOI
    10.24462/jnse.10.0_204
  • ISSN
    24326283
    21884323
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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