スガマデクス投与後に陽圧換気困難となった心臓外科術後患者の1例

  • 唐津 進輔
    横浜市立みなと赤十字病院救命救急センター
  • 武居 哲洋
    横浜市立みなと赤十字病院救命救急センター
  • 藤澤 美智子
    横浜市立みなと赤十字病院救命救急センター
  • 永田 功
    横浜市立みなと赤十字病院救命救急センター

書誌事項

タイトル別名
  • Difficult positive pressure ventilation following administration of sugammadex after cardiac surgery: A case report
  • スガマデクス トウヨ ゴ ニ ヨウアツ カンキ コンナン ト ナッタ シンゾウ ゲカ ジュツゴ カンジャ ノ 1レイ

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抄録

<p>麻薬投与直後の筋硬直は広く知られるが,投与から時間が経った筋硬直に関する報告は少ない。心臓手術後の患者にスガマデクスを投与し,突然の換気困難に陥った症例を経験した。症例:併存疾患のない53歳男性。感染性心内膜炎による大動脈弁閉鎖不全症に対して大動脈弁置換術を施行した。術中フェンタニル,レミフェンタニルを使用したが,換気に問題はなかった。出血性脳梗塞合併例であり,意識レベルを確認するためICU帰室後にスガマデクス200mgを投与したところ,気道内圧が著明に上昇し陽圧換気困難に陥った。用手でも換気できずSpO2は80%まで低下しECMOを準備した。投与3分後から自発呼吸が出現したため換気量が得られ,SpO2は回復した。投与後約30分間は強制換気時には換気量が得られなかったが,その後回復した。麻薬使用患者へのスガマデクス投与が麻薬による筋硬直を表在化させ,換気困難に陥ったものと推測された。 </p>

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