A群レンサ球菌により急速に進行した急性膿胸に対して胸腔鏡下膿胸腔掻爬術を施行した1例

書誌事項

タイトル別名
  • Video-assisted thoracoscopic resection for acute empyema caused by Group A streptococci
  • Aグン レンサ キュウキン ニ ヨリ キュウソク ニ シンコウ シタ キュウセイ ノウキョウ ニ タイシテ キョウコウキョウ カ ノウ キョウコウソウハジュツ オ シコウ シタ 1レイ

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抄録

<p>とくに既往のない20歳代,女性。発熱と咳嗽を認め近医受診するも胸部X線上異常所見なく経過観察となっていたが,4日後に呼吸困難が出現し当院救命救急センターに搬送された。血液検査上炎症反応が高値であり,胸部CTにて左肺に多房性の隔壁を伴う膿胸腔と胸水貯留を認めたため急性膿胸と診断し,胸腔鏡下膿胸腔掻爬術を施行した。胸水と胸膜切除組織からA群レンサ球菌が検出され,原因菌と同定した。術後は炎症反応の著明な改善を認め,3週間の抗菌薬経静脈投与を行った後に退院となった。A群レンサ球菌は膿胸の原因菌としてはまれであり,感染が重症化する恐れがあるため速やかな治療介入が重要である。本症例は4日以内に膿胸が急激に悪化する経過を辿っており,多房性の膿瘍腔を認めていることから原因菌同定前に早期の手術介入を選択した。劇的な臨床経過を辿る急性膿胸には,培養結果を待たずして超早期の外科的治療介入を考慮すべきである。 </p>

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