頸椎胸椎アライメントを考慮した枕の首肩への負担と睡眠への影響

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of Cervical-thoracic Alignment-supporting Pillow on Neck and Shoulder Strain and Sleep Sensation.
  • ケイツイ キョウツイ アライメント オ コウリョ シタ マクラ ノ シュ カタ エ ノ フタン ト スイミン エ ノ エイキョウ

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説明

本研究では,起床時に首肩のこり症状がある被験者を対象に,普段使用している枕(BP:Baseline Pillow)と頸椎胸椎アライメントを考慮した枕(TP: Test Pillow)を使用した際の首肩のこり症状と睡眠への影響について比較検討した。被験者は,首肩のこりの程度とピッツバーグ睡眠質問票が相対的に高い被験者を選定し,起床時に首肩のこり症状がある29名(男性 13 名,女性 16 名,年齢 53.5 ± 7.1 歳)とした。BP とTP を1週間使用し,起床時に首肩のこりに関する自覚症状と睡眠に関する主観的評価を行った。また,各期間後に筋硬度測定とOSA 睡眠質問票MA 版によるアンケートを実施した。各1週間の首肩のこりの自覚症状の平均は,BP: 6.20 ± 1.59 ,TP: 4.95 ± 1.99 で有意な低下を示した(P⟨ 0.001)。各1 週間の起床時睡眠感(眠気,寝つき,熟睡感,目覚め)の平均値は,BP に比べTP の使用により有意に低下した。OSA 睡眠質問票MA 版では,入眠と睡眠維持,疲労回復,睡眠時間の因子において有意に高くなった。TP 使用による筋硬度への影響は,BP に対して有意に変化を示さなかった。本研究では,起床時に首肩のこり症状がある被験者において,TP が起床時の首肩へのこりの自覚症状を軽減し,睡眠感を改善する可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 睡眠と環境

    睡眠と環境 17 (1), 9-14, 2023-06-30

    一般社団法人 日本睡眠環境学会

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