ジブリの政治思想(1) : 『太陽の王子ホルスの大冒険』における連帯の意味

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タイトル別名
  • The Political Thought in GHIBLI’s Movies : The Meaning of Solidarity in “The Great Adventure of Horus, Prince of the Sun”
  • ジブリ ノ セイジ シソウ(1)『 タイヨウ ノ オウジ ホルス ノ ダイ ボウケン 』 ニ オケル レンタイ ノ イミ

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抄録

本稿は,ジブリ映画の原点ともいえる『太陽の王子ホルスの大冒険』における政治的志向性を明らかにしようとするものである。1960年代中頃以降,国内では,高度経済成長にともなう公害の発生や,地方における村落的秩序の解体と並行して,都市において拡大するニュータウンでの社会的紐帯の欠如が問題化し,国外では,アメリカが引き起こしたベトナム戦争が泥沼化し,日本はその兵站として加担することで,戦後民主主義の理想との矛盾を抱えていた。そうした時代背景の中で,『太陽の王子ホルスの大冒険』は,人々(子どもたち)に連帯の大切さを訴えかけるという意図をもって作られている。そして,本稿では,連帯の本質,言い換えれば,真の意味における連帯の成立条件として,①主体性・自発性・能動性,②日常性,③寛容の3つが重要な要素であると整理した。

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