自然の賢明な活用を目指して:グリーンインフラ・NbS の推進における生態学的視点

書誌事項

タイトル別名
  • Towards the Wise use of Nature: Ecological Perspectives on promoting Green-infrastructure and Nature-based Solutions
  • シゼン ノ ケンメイ ナ カツヨウ オ メザシテ : グリーンインフラ ・ NbS ノ スイシン ニ オケル セイタイガクテキ シテン

この論文をさがす

説明

<p>近年、日本では、急速な人口減少が進む中、自然災害の頻発化、地域経済の停滞、新型コロナウィルス感染症の流行等、様々な社会課題が顕在化している。一方で、SDGs や生物多様性保全に対する社会的関心が高まり、企業経営や事業活動と自然資本の関わりに注目が集まっている。このような状況を受けて、グリーンインフラ、NbS(自然を活用した解決策)、Eco-DRR(生態系を活用した防災減災)、EbA(生態系を活用した気候変動適応)、地域循環共生圏等、自然の資源や機能を活用した社会課題解決に関する概念が幅広い行政計画において取り上げられている。本稿では、日本生態学会の生態系管理専門委員会の委員によりグリーンインフラ・NbS に関する国内外の動向や、これらの考え方を整理するとともに、自然の資源や機能を持続的・効果的に活用するためのポイントを生態学的な観点から議論した。さらに、地域計画や事業の立案・実施に関わる実務家や研究者に向けた「グリーンインフラ・NbS の推進において留意すべき 12 箇条」を提案した。基本原則:1)多様性と冗長性を重視しよう、2)地域性と歴史性を重視しよう。生態系の特性に関する留意点:3)生態系の空間スケールを踏まえよう、4)生態系の変化と動態を踏まえよう、5)生態系の連結性を踏まえよう、6)生態系の機能を踏まえよう、7)生態系サービスの連関を踏まえよう、8)生態系の不確実性を踏まえよう。管理や社会経済との関係に関する留意点:9)ガバナンスのあり方に留意しよう、10)地域経済・社会への波及に留意しよう、11)国際的な目標・関連計画との関係に留意しよう、12)教育・普及に留意しよう。</p>

収録刊行物

  • 保全生態学研究

    保全生態学研究 28 (1), n/a-, 2023-04-30

    一般社団法人 日本生態学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ