オフィスワーカーにおけるドメイン別の身体活動や座位行動と心血管代謝系の健康の関連性―Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports に掲載された英語論文の日本語による二次出版―

DOI
  • Kitano Naruki
    Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare
  • Kai Yuko
    Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare
  • Jindo Takashi
    Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba
  • Fujii Yuya
    Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare
  • Tsunoda Kenji
    Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare Faculty of Social Welfare, Yamaguchi Prefectural University
  • Arao Takashi
    Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare

Description

目的:先行研究から,身体活動(physical activity: PA)や座位行動(sedentary behavior: SB)と健康アウトカムの関連性はその行動が仕事中のものかどうかによって逆転することが報告されている。しかし,これまでに1日の時間利用における相互依存性を考慮したうえで,オフィスワーカーのドメイン別身体行動と心血管代謝系の健康の関連性を検討した研究はない。そこで我々は,加速度計で測定したドメイン別(勤務時間,勤務日の非勤務時間,非勤務日)のPAおよびSBとオフィスワーカーの心血管代謝系の健康指標の関連について,組成データ解析を用いて検討した。 方法:この横断研究は1258人の日本人オフィスワーカーを対象とした。SB,低強度PA(light-intensity PA: LPA),中高強度 PA(moderate- to vigorous-intensity PA: MVPA)の時間を加速度計により評価した。心血管代謝系の健康指標には定期健康診断のデータを用いた。 結果:組成データ解析による重回帰分析の結果,勤務時間中や非勤務日の行動ではなく,平日の非勤務時間中のPAやSBが心血管代謝系の健康と有意に関連した。特に,非勤務時間中の SB を減らして,代わりにLPAやMVPAの時間を増やすことは,それぞれcardiometabolic risk score や脂質代謝指標の好ましい変化と関連した。一方,LPA時間と拡張期血圧の関連性において,非勤務時間中は良好に関連し(β = 1.61; 95%信頼区間[CI] = 0.02, 3.19),仕事中は有害的に関連する(β = -2.48; 95% CI = -4.87, -0.09)という相反する結果が得られた。 結論:我々の結果は,オフィスワーカーの心血管代謝系の健康管理には,平日の非勤務時間におけるSBの軽減とPAの増加が有効である可能性を示唆するものであった。今後,組成データ分析を用いた縦断的研究により,我々の結果を確認することが必要である。

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