味の感じ方に及ぼす調理学授業の影響

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of cookery science class on perception of taste
  • Based on sensory evaluation of saltiness, sweetness, and umami
  • —塩味・甘味・うま味の官能評価による—

抄録

<p>【目的】中外食により加工食品の利用が増加した近年,管理栄養士として味への感受性を養うことが重要である。本研究では管理栄養士養成大学の学生を対象に,調理学関連の授業(理論および実践:調理学,調理学実習,調理科学実験)の受講前・後で味の感じ方にどのような変化が生じるのか,教育効果について検証することを目的とした。</p><p>【方法】パネルは東洋大学2018年度在籍時1年生94人(教育前)および2022・2023年度在籍時2年生192人(教育後)とした。試料は,食塩溶液(0.6%,0.7%,0.8%),砂糖溶液(1%,8%,12%),だし溶液(かつお節,昆布,煮干し,かつお節と昆布の混合,および風味調味料のだし溶液をそれぞれ濃度2%,塩分濃度0.6%に統一)とし,3オンスカップに入れ配布した。試飲する順は教員が指示し,食塩溶液と砂糖溶液は評価用紙にそれぞれの濃度を記入させ,だし溶液はだしの種類を記入させた。さらに5種類のだし溶液の好ましい順を順位付けさせた。</p><p>【結果】各食塩溶液において,正解に近い濃度1%未満と回答した学生数はいずれも教育後に増加し,教育前に比べて10倍以上であった。砂糖溶液の正答率は,いずれの濃度も教育後は2倍以上増加した。だし溶液については,教育前の正答率は低く10種類以上のだしが回答されていたが,教育後は,かつお,昆布,および煮干しの正答率がいずれも80%以上であった。だしの好ましさについては,教育前後いずれも風味調味料が最も高かった。これらのことより,「知識」のみならず実習や実験を通じて「経験」を結び付けた教育を繰り返し行うことで,調味液の濃度についての感覚やだしの種類についての理解が深まることが確認された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390578902349116544
  • DOI
    10.11402/ajscs.34.0_145
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ