低温性芽胞菌の圧力発芽誘導に及ぼす栄養成分および食塩の影響

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  • The effect of glucose-broth components on pressure-germination of <i>Bacillus</i> spores<i></i>

抄録

<p>【目的】低温性芽胞菌は,低温調理による加熱では生残し,4~10℃の冷蔵条件でも発育して品質劣化を起こす。そのため,低温調理された食品は,低温貯蔵であっても比較的短い賞味期限となる。演者らは,昨年の発表に引き続き,B. simplexの芽胞について耐熱性を明らかにした。また,圧力発芽誘導による芽胞の発芽について検討した。</p><p>【方法】チルド食品から分離された低温性芽胞菌[Bacillus cereusB. simplexPaenibacillus chibensisP. polymyxa(日本缶詰協会提供株)]を実験に供した。圧力発芽誘導に対する栄養成分の影響は,コンソメスープにグルコースブロース培地(GB培地)を20%添加した場合と添加しない場合で,両者の発芽率を比較した。食塩の影響では,コンソメスープにGB培地を20%加え,さらに食塩を0%,3%,6%添加して発芽率を比較した。発芽誘導は,60 MPa・40℃・1 h処理とし,Log(初発芽胞数)/(処理後の芽胞数)を発芽率とした。</p><p>【結果】コンソメスープにGB培地を添加した場合の発芽率は2.66±0.01,添加していない場合は2.21±0.11となり,GB培地を添加すると有意(p<0.01)に発芽率が高くなった。食塩の影響では,GB培地を加えたコンソメスープに食塩を0%,3%,6%添加した場合,発芽率はそれぞれ1.93±0.08,1.45±0.05,0.73±0.09となった。食塩を3%添加すると有意に発芽率が低下した。食塩量を6%に増やすと食塩3%よりも有意に発芽率が低下した。結果から,GB培地の培地成分は発芽を促進しているが,食塩は発芽を阻害したと言える。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390578902349123072
  • DOI
    10.11402/ajscs.34.0_152
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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