胆嚢疾患に対する高周波プローブを用いた腹部超音波検査に関する検討―単施設による後ろ向き研究―

DOI
  • 三好 広尚
    藤田医科大学ばんたね病院 消化器内科 医療法人結生会 介護老人保健施設 結生
  • 片野 義明
    藤田医科大学ばんたね病院 消化器内科
  • 小林 隆
    藤田医科大学ばんたね病院 消化器内科
  • 山本 智支
    藤田医科大学ばんたね病院 消化器内科
  • 舘 佳彦
    藤田医科大学岡崎医療センター 消化器内科
  • 乾 和郎
    医療法人山下病院 消化器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Ultrasonographic screening for cancer in patients with gallbladder disease using a high-frequency probe: a single center retrospective study

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抄録

<p>【目的】腹部超音波検査で良悪性の判定困難な胆嚢疾患に対して, 周波数3.5MHzと7MHz(高周波数)の超音波プローブを用いて両者の診断能を比較した。</p><p>【対象と方法】腹部超音波検診で良悪性の判定が困難なため要精検となった胆嚢疾患58例に, 3.5MHzと7MHzの超音波プローブを用いた超音波検査を行い, 腹部超音波検診判定マニュアル改訂版(2021年)のカテゴリー(C), 判定区分, 超音波画像所見の画質を単施設で後ろ向きに比較した。判定者は, 日本超音波医学会超音波指導医1名により行った。統計学的分析はt検定, χ2検定を用いた。</p><p>【結果】3.5MHz群と7MHz群の比較を行った。カテゴリーはC2(19% vs 72%), C3(17% vs 12%), C4(64% vs 16%)であり, C2(良性)は, 7MHz群で有意に高率に判定された(P<0.001)。判定区分はC(26% vs 79%), D2(74% vs 21%)であり, 判定区分D2(要精検)は, 7MHz群で有意に低率に判定された(P<0.001)。7MHz群は周波数3.5MHz群の画像と比較して71%で2(良好), 3(非常に良好)であった。</p><p>【結語】胆嚢疾患において, 高周波プローブ(周波数7MHz)を併用することにより明瞭な超音波画像所見が得られ, 腹部超音波検診においてより正確な判定ができると考えられる。</p>

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