肋軟骨融合部を離断した第6-10肋骨跳ね上げ開胸により肺および横隔膜とともにen blocに切除できた巨大chronic expanding hematomaの1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of giant chronic expanding hematoma involving 6 to 10th rib flip-thoracotomy

抄録

<p>症例は65歳,男性.咳嗽,喀血,胸痛を主訴に来院.胸部造影CTを施行したところ,以前から指摘されていた左胸腔内腫瘤の増大を認めた.画像所見よりChronic expanding hematoma(CEH)と診断し,術前に腫瘤への流入血管を塞栓した後に手術に臨んだ.右側臥位にて左第5肋間から肋骨弓下につなげる弧状切開とし第6-10肋軟骨融合部を切断し,跳ね上げるようにして開胸した.これにより,肺門と横隔膜周囲の良好な視野を確保することができた.腫瘤は胸壁,肺,横隔膜と強固に癒着していたが,左肺下葉と左舌区,横隔膜とともに血腫を破らずにen blocに切除できた.残存肺は小さく,術後肺捻転や術後肺瘻を危惧したため,Polytetrafluoroethylene sheet(ePTFEシート)により胸腔内に隔壁を形成し横隔膜は再建した.現在,術後1年2ヵ月再発なく経過観察中である.</p>

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参考文献 (6)*注記

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