口腔機能の発達と育成

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タイトル別名
  • Development and nurturing of oral functions
  • コウコウ キノウ ノ ハッタツ ト イクセイ

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抄録

口腔は生活を営むうえで食事や水分を摂るための摂食器官としての役割や,会話をするために言葉を発する構音器官としての役割,そして,緊急的な呼吸補助の呼吸路としての役割を担う.また,歯並びや顎形態を含めた口腔の形態は顔面を構成する審美的な要素も担い,かつその問題は咀嚼や発語といった口腔機能の問題へとも繋がることからその不調和が心理に与える影響も大きい.小児期は乳歯から永久歯への交換に代表されるようにダイナミックに口腔の形態が変化する時期であり,それに並行してこれらの機能を獲得していく時期である.形態と機能の発育は常に連動しており,かつそこに小児の内面の心理的要素もこれらに大きな影響を及ぼす.特に小児の心理面においては,成育環境が与える影響も大きい. 口腔の健全な育成のためには,形態と機能,そして心理の3つのバランスのとれた調和がきわめて重要で,われわれは1視点だけにとらわれず,多角的にサポートしていく必要がある.一方で,全身的な因子も口腔の形態や機能の発育に大きな関わりをもつ.ここでは,一般的な口腔の発育とその発育に及ぼす全身的な因子についてまとめ,最後に口腔機能発達支援の概説をする.

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