腱板大断裂・広範囲断裂に対する鏡視下腱板修復術の術後成績

この論文をさがす

説明

腱板大断裂・広範囲断裂に対する鏡視下腱板修復術(ARCR)の治療成績を検討した.対象は2014年から2020年までに,腱板大断裂・広範囲断裂に対してARCRを施行した59例である.評価項目は,術前と術後1年時の自動可動域及び日整会肩関節疾患治療成績判定基準(JOAscore)とした.また,年齢(70歳以上と未満),外傷例,肩甲下筋腱(SSC)断裂例,delaminationを有する症例,上腕二頭筋長頭腱(LHB)に病変を認める症例に関して,各項目の術前と術後1年の可動域とJOAscoreを比較した.術前と比較して術後1年では外転,前方挙上,内旋,JOAscoreで有意に改善を認めた.各項目の比較において,70歳未満で有意に術後外旋が大きく,delamination合併例において有意に術後JOAscoreが低かった.SSC断裂やLHB病変を有する症例では適切な処置を追加することで,術後成績に影響を及ぼさない可能性があると考えられた.腱板大断裂・広範囲断裂に対してARCRを施行する際は,70歳以上やdelaminationを有する症例で術後成績不良となる可能性があるため注意を要する.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 47 (1), 125-128, 2023

    日本肩関節学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ