巨大肝囊胞を形成した単包条虫による囊胞性エキノコックス症の1切除例

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タイトル別名
  • A Case of Surgical Resection of Cystic Echinococcosis Caused by <i>Echinococcus granulosus</i> Forming Giant Liver Cysts That Occurred in Japan

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抄録

<p>症例は63歳の男性で,30年前にペルーより来日された.腹部膨満を主訴にCTを撮影したところ肝左葉の巨大囊胞を指摘され精査目的で紹介受診された.造影CTおよびMRIで肝外側区に内部に隔壁を伴う造影効果の乏しい直径25 cmの巨大囊胞性病変と肝S5に3 cmの囊胞性病変を認め,いずれも被膜の石灰化を伴い,抗体検査は陰性であったが画像所見と居住歴から囊胞性エキノコックス症と診断して肝外側区域切除,肝S5亜区域切除を施行した.採取した肝外側区の囊胞内容液よりエキノコックスの原頭節を認め,遺伝子検査で単包条虫と確定した.感染経路は明らかではないものの来日前の曝露が疑われた.本邦におけるエキノコックス症は多包条虫が大半を占め,単包条虫はまれとされるが海外では単包条虫が広く分布しており国際化の流れからも今後は囊胞性エキノコックス症に遭遇する可能性が十分にあり肝囊胞性疾患の鑑別の一つに挙げる必要がある.</p>

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参考文献 (13)*注記

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