深層学習によるコナジラミ類の微小発生音を用いた種およびバイオタイプの判別

  • 佐藤 広隆
    筑波大学大学院システム情報工学研究科
  • 中林 大樹
    筑波大学大学院システム情報工学研究科
  • 海老原 格
    筑波大学大学院システム情報工学研究科 筑波大学システム情報系
  • 水谷 孝一
    筑波大学大学院システム情報工学研究科 筑波大学システム情報系
  • 若槻 尚斗
    筑波大学大学院システム情報工学研究科 筑波大学システム情報系
  • 久保田 健嗣
    国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

書誌事項

タイトル別名
  • Classification of Whitefly Species and Biotypes Using Deep Learning
  • シンソウ ガクシュウ ニ ヨル コナジラミルイ ノ ビショウ ハッセイオン オ モチイタ タネ オヨビ バイオタイプ ノ ハンベツ

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抄録

コナジラミ類は,トマトやキュウリ等の施設野菜に甚大な被害をもたらす農業害虫であり,農薬耐性の異なる複数の種やバイオタイプが確認されている。コナジラミ類が発する音の周波数スペクトル(周波数毎の強度分布)から,タバココナジラミのバイオタイプ B と Q2の判別が可能であることがこれまで明らかになっている。しかし,日本国内で主に確認されている種・バイオタイプ[オンシツコナジラミ,タバココナジラミ(バイオタイプ B,Q1,Q2)]の判別には至っていなかった。本研究は,コナジラミ類が発する音のスペクトログラム(時間-周波数空間における強度分布)から,日本国内で主に確認されている種・バイオタイプを判別する方法を検討した。深層学習モデルを用いたスペクトログラムの判別器を構築し,無響室において実験を行った結果,オンシツコナジラミ,タバココナジラミ(バイオタイプ B,Q1,Q2)を高い精度(F 値96.8~100%,平均98.7%)で判別することが可能であり,周波数スペクトルに着目した従来手法の精度(F 値32.7~ 70.5%,平均60.3%)と比較して改善が見られたほか,DNA による系統判別法と同程度の精度で実現しうることが確認できた。

収録刊行物

  • 農業施設

    農業施設 52 (3), 81-89, 2021

    農業施設学会

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