二重染色法を用いた牛ふんにおける生分解性プラスチック蓄積細菌数の割合

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タイトル別名
  • Ratio of Biodegradable Plastic Accumulating Bacteria to Total Number of Bacteria in Cow Feces Using Double Staining Method

抄録

家畜排せつ物は有用なバイオマス資源である。その発生量の9割以上が堆肥化処理される一方,近年では,堆肥の余剰等の課題から,堆肥化以外の新たなマテリアル利用法が検討されている。本研究では,家畜排せつ物の新たなマテリアル利用として生分解性プラスチックである PHA(Polyhydroxyalkanoate)に着目し,家畜の中で排せつ物の発生量が最も多いウシを対象に,牛ふん中 PHA 蓄積細菌の存在確認,全菌数と PHA 蓄積細菌数および全菌数に対する PHA 蓄積細菌存在割合の定量評価を行った。試料は栃木県大田原市の A 農場と那珂川町の B 農場からホルスタイン,黒毛和種それぞれ3頭ずつの計12頭のウシから採取した。手法には Nile blue A と DAPI による二重染色法を用い,直接計測法で細菌数の計測を行った。その結果,牛ふん中に PHA 蓄積細菌の存在が確認され,牛ふんにおいて PHA が蓄積されることが明らかとなった。PHA 蓄積細菌数と全菌数はそれぞれ1.0~11.0×107 cells/g-wet basis,5.4~50.4×107 cells/g-wet basis であり,全菌数に対する PHA 蓄積細菌存在割合は18.5~20.9%であった。全菌数,PHA 蓄積細菌数に関して牛種間で有意差は認められなかったが,全菌数は両牛種,PHA 蓄積細菌数はホルスタインでのみ農場間で有意差が認められた。PHA 蓄積細菌存在割合は牛種間,農場間いずれも有意差は認められなかった。

収録刊行物

  • 農業施設

    農業施設 53 (2), 45-50, 2022

    農業施設学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390579078735223552
  • DOI
    10.11449/sasj.53.2_45
  • ISSN
    21860122
    03888517
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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