鉗子による砕石と十二指腸拡張により内視鏡的に治療し得たBouveret症候群の1例

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タイトル別名
  • A Case of Bouveret’s Syndrome Treated Endoscopically with a Combination of Forceps Lithotripsy and Duodenal Dilatation
  • カンシ ニ ヨル サイセキ ト ジュウニシチョウ カクチョウ ニ ヨリ ナイシキョウテキ ニ チリョウ シエタ Bouveret ショウコウグン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は87歳,女性。3ヵ月前に,胆囊炎および胆囊周囲膿瘍に対して,経皮的穿刺ドレナージによる保存的加療歴があった。右季肋部痛を主訴に救急受診,腹部造影CT検査で十二指腸球部への胆石嵌頓が疑われた。上部消化管内視鏡検査を実施したところ,十二指腸球部には内腔を占拠する巨大胆石を認めたが,性状は比較的脆く,把持鉗子による内視鏡的砕石が可能であった。砕石後に肛門側の上十二指腸角の状態を確認したところ,高度の狭窄を認め,砕石のみでは十分な経口摂取は困難と考えられた。患者の全身状態からは耐術能に乏しいと考えられたため,内視鏡的に十二指腸のバルーン拡張を行った。内腔の拡張を確認し摂食を再開したが,消化管閉塞症状の再燃や胆管炎症状は現在まで認めていない。手術リスクの高いBouveret症候群において,本治療法は有効な治療法の1つと考えられた。</p>

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